知ってるつもりでしらない病気の話:高血圧②

健康

前回は高血圧のしくみについてお伝えしました。まだご覧になられていなければ↓から

血圧が高いということは、心臓と血管に負担がかかっていることがおわかりいただけたでしょうか。

さて“心臓と血管に負担がかかっている”と聞くと、やはり注目すべきは心臓ですが、まずは血管のお話。

高血圧が及ぼす体への影響:血管

血管は読んで字のごとく血液の通り道です。血液は、体中に酸素と栄養素を送り、また使い終わった酸素つまり二酸化炭素を回収するという働きを持っています。
体の中にたくさんの臓器がありますが、私たちがごはんを食べて栄養を取り、空気を吸って体を動かすのと同じように、それぞれの臓器も栄養を取り込み、酸素を使って働いています。
ごはん食べなかったらお腹が空きますし、呼吸ができなかったら苦しいのと同じように、臓器も栄養と酸素を必要としています。

高血圧が引き起こす病気

体の中で最も栄養を必要とする臓器は、もちろん脳です。
血流も豊富ですし細かいところまで栄養を送りたいため、細い血管もたくさんあります。
でもこの細い血管の壁が硬くなっていたらどうでしょう。硬くて細い血管に強い衝撃(急な血圧上昇)があったらどうなるでしょう。
血管はキャパオーバーで割れてしまいます。これが脳出血です。

また、効率的に脳に血液を送るため血管は複雑に配置されています。
太い血管から細い血管への分かれ道でY字路のような形をした血管があるのですが、常に強い圧力が加わると交差している部分に風船のようなこぶが少しずつできてきます。
風船のようになったこぶは最終的に膨らみ過ぎてはぜるしかありません。
常に血液がぶつかってくるので戻りようがありません。
この風船のようなこぶを脳動脈瘤といいます。これが破裂したのがくも膜下出血です。

後遺症

脳卒中は急な発症であることが多く、生命を脅かすような重篤な状態を招きやすいのは周知の事実かと思います。
しかしそれだけではありません。
麻痺や意識障害が残ることも多く、誰かの介助なしには生活できなくなります。
脳卒中で傷害された場所によっては、体の麻痺だけでなく正常に考えることができず、理性を失い、別人のようになってしまう方もいらっしゃいます。
飲み込むことができなくなり、食べることができないために鼻から管を入れて栄養を取るしかなくなることもあります。
現在の日本で介護が必要になる理由の1位は「脳卒中による後遺症」です。
麻痺などの障害を負ってから死ぬまで、自分のこどもや配偶者に下の世話を頼むのは、本当に心苦しいですよね。

まとめ

  • 高血圧により負担のかかった血管は硬くもろくなり脳内出血を起こしやすい
  • 脳血管疾患は重篤な状態になることに加え、後遺症が残りやすく介護が必要となる場合が多い
  • 日本で要介護になる原因の第1位は脳血管疾患